ビットシェアーズ(BitShares)は、分散型金融(DeFi)プラットフォームの先駆けとして2014年に登場したブロックチェーンプロジェクトです。アメリカのプログラマー、ダニエル・ラリマーが中心となって開発され、ビジネス分野での利用を主眼に置いています。
主な特徴
分散型取引所(DEX)
- BitSharesは中央管理者を持たない分散型取引所(DEX)を運営しており、ユーザー同士が直接仮想通貨や資産を取引できます。代表的なDEXとしてOpenLedgerなどがあります。
- 管理者がいないため、取引所の破綻やハッキングリスクが低減され、手数料も抑えられています。
独自通貨BTSとスマートコイン
- プラットフォーム内の基軸通貨は「BTS」です。BTSは取引手数料やブロック承認者への報酬、投票権の割り当てなどに使われます。
- 「スマートコイン(SmartCoin)」と呼ばれる、法定通貨やビットコインなどの価格に連動する通貨(例:bitUSD、bitJPY、bitBTC)も発行されています。これにより価格変動リスクを抑えた取引が可能です。
DPoS(Delegated Proof of Stake)コンセンサス
- BitSharesは、DPoS(Delegated Proof of Stake)という独自の合意形成アルゴリズムを採用しています。BTS保有者の投票で選ばれた20人前後の承認者(witness)がブロック生成を行い、取引の高速処理(3秒/ブロック)を実現しています。
- DPoSは、従来のPoW(Proof of Work)よりも効率的かつ分散化された仕組みです。
Grapheneエンジン
- BitSharesのブロックチェーン基盤には「Graphene(グラフィーン)」エンジンが使われており、毎秒10万件以上のトランザクション処理能力を持つ高性能な設計です。
ユーザー発行資産(UIA)
- ユーザー自身が独自のトークン(資産)を発行し、即時に取引を開始できる機能も備えています。
沿革
- 2013年に構想が生まれ、2014年7月に正式リリース。
- 2015年にはGrapheneエンジンを搭載した「BitShares 2.0」へアップデート。
- 開発はInvictus Innovations社からCryptonomex社へ引き継がれました。
まとめ
ビットシェアーズは、分散型金融の先駆的存在として、中央管理者を介さずに金融取引や資産発行ができるプラットフォームを提供しています。独自のDPoSアルゴリズムや高性能なGrapheneエンジン、スマートコインなど、分散型金融の実用的な基盤を築いたプロジェクトです。
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