1inchは、複数の分散型取引所(DEX:Decentralized Exchange)を横断して、ユーザーにとって最も有利なレートや最小の手数料で暗号資産(仮想通貨)を交換できるようにする「DEXアグリゲーター」です。
簡単に言うと、複数のDEXの中から最適な交換ルートを自動で探してくれるサービスです。
主な特徴
- DEXアグリゲーション
Uniswap、SushiSwap、Balancer、Kyber Networkなど、さまざまなDEXから流動性を集約し、最も有利な価格やルートを自動で選択します。1inch独自の「Pathfinder」アルゴリズムにより、1回の取引を複数のDEXに分散させて、より良いレートを実現することも可能です。 - 複数チェーン対応
Ethereum、BNB Chain、Polygon、Arbitrum、Avalancheなど、複数のブロックチェーンに対応しています。 - リミットオーダーなどの高度な注文
指値注文や条件付き注文、トレーリングストップなど、柔軟な取引が可能です。 - 独自の流動性プロトコル
1inch自身もAMM(自動マーケットメイカー)型の流動性プールを運営しています。 - マルチチェーンウォレット
1inchウォレットという非カストディアル型(自己管理型)のスマホウォレットも提供しています。 - ガバナンストークン(1INCH)
1INCHトークンは、プロトコルの運営方針やパラメーター変更に関する投票(ガバナンス)に使われるほか、流動性提供者へのインセンティブやステーキングにも利用されます。
仕組み
1inchは、旅行サイトの料金比較のように、複数のDEXの価格や手数料をリアルタイムで比較し、ユーザーの取引(スワップ)を最適な方法で実行します。
場合によっては、1回の注文を複数のDEXに分割して実行することで、スリッページ(価格変動による損失)を最小限に抑え、より良いレートを実現します。
背景
1inchは2019年、Sergej Kunz氏とAnton Bukov氏によってETHGlobalハッカソンで開発されました。
現在では世界中で数百億ドル規模の取引ボリュームを誇る主要なDeFiプロジェクトの一つとなっています。プロジェクトの運営はDAO(分散型自律組織)によって行われており、コミュニティ主導で発展しています。
まとめ表
項目 | 内容 |
---|---|
主要機能 | DEXアグリゲーター(最適な仮想通貨交換) |
独自アルゴリズム | Pathfinder(最適ルート探索) |
対応チェーン | Ethereum、BNB Chain、Polygon、Arbitrum、Avalancheなど |
トークン | 1INCH(ERC-20、ガバナンス・ユーティリティ) |
その他の機能 | 指値注文、流動性プール、マルチチェーンウォレット |
ガバナンス | DAO(1INCHトークン保有者による投票) |
1inchは、DeFi(分散型金融)をより便利で効率的に使いたい人にとって、とても役立つサービスです。