筋トレにおける「反動」(モメンタムやチーティング)の使用については、目的や状況によって賛否が分かれる。結論から言うと、「反動を使っても良い場合もあるが、フォームが崩れるなら使わない方が良い」。
目次
反動を使うメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・高重量を扱える | ・フォームが崩れやすい |
・通常より多くの回数をこなせる | ・狙った筋肉への刺激が分散しやすい |
・筋肉への新しい刺激やバリエーションを加えられる | ・ケガや関節への負担が増える |
・筋肥大やパワー向上に役立つ場合がある | ・筋肉の成長効率が下がることがある |
反動を使うべきケース
- 筋肥大やパワー向上を狙う場合
反動を利用することで、通常より高重量を扱ったり、回数を増やすことができ、筋肉への刺激が強くなる。特にセット終盤で限界を迎えた後、数回だけ反動を使って追い込む「チーティング法」は、筋肥大を促進するテクニックとして有効。 - ストレッチ・ショートニング・サイクル(SSC)を活用したい場合
SSCは、筋肉を素早く伸ばしてから縮めることでパフォーマンスを高める現象。ジャンプや一部の爆発的な動作では、反動を使うことで筋力発揮が増強される。
反動を使わない方が良いケース
- 筋力や筋肥大を「狙った筋肉」に集中させたい場合
反動を使うと負荷が分散し、狙った筋肉への刺激が弱まる。筋トレの基本は「正しいフォームで、狙った筋肉にしっかり負荷をかける」こと。 - フォームが崩れる場合
反動を使うことでフォームが乱れると、ケガのリスクが高まり、トレーニング効果も下がる。特に初心者やフォームに自信がない場合は、反動を使わずにコントロールした動作を心がけるべき。 - 関節や腱への負担が心配な場合
反動を使うと関節や腱に急激な負荷がかかりやすく、ケガのリスクが増す。
科学的な視点
- 反動(モメンタム)を使うことで、筋肉の伸張反射やSSCを活用し、パフォーマンスや筋肥大にプラスの効果がある場合もある。
- ただし、過度な反動は筋肉への刺激時間(タイムアンダーテンション)が短くなり、筋肥大効果が減少する可能性も指摘されている。
- 反動を使う場合でも、正確なフォームと技術の習得が前提。
まとめ
- 基本は「反動を使わず、正しいフォームで」行うのが筋トレの原則。
- ただし、筋肥大やパワー向上、トレーニングのバリエーションとして、意図的に反動を使う「チーティング法」などのテクニックも存在し、上級者や目的に応じて活用できる。
- フォームが崩れる場合やケガのリスクが高い場合は、反動は使わない方が良いという判断は、非常に妥当。
「反動を使っても良いが、フォームが崩れるならやらない方が良い。フォームが崩れるのが大半なら、反動は使わない方が良い」
要点
- 反動は「使い方次第」で効果的にも危険にもなる。
- まずは正しいフォームを身につけ、必要に応じて反動を活用するのがベスト。
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