ビットコインは「お金」、イーサリアムは「プロトコル」。
ビットコインキャッシュ(BCH)は、その両方を目指してしまった。
目次
ビットコイン:お金としての役割
ビットコインは、中央管理者がいないデジタルマネー。
価値の保存と決済手段に特化し、シンプルさとセキュリティを重視している。
プログラム可能性はあえて制限し、堅牢性を最優先している。
イーサリアム:プロトコルとしての役割
イーサリアムは、通貨というよりも分散型アプリやスマートコントラクトを動かすためのプロトコル。
柔軟なプログラム環境を持ち、金融・ゲーム・マーケットプレイスなど多様なイノベーションを生み出している。
ビットコインキャッシュ:中途半端な立ち位置
ビットコインキャッシュは、ビットコインのスケーラビリティ問題(処理速度の遅延や手数料高騰)を解決するために誕生した。
ブロックサイズを32MBまで拡張し、一度に多くの取引を処理できるようにした。
送金手数料も安く、日常決済に適しているとされる。
しかし、BCHは単なる「速くて安いビットコイン」にとどまらず、スマートコントラクトやDApps開発機能も取り入れ始めた。
「お金」としてのシンプルさと、「プロトコル」としての柔軟性、その両方を追いかけている。
二兎を追うリスク
- 通貨としての信頼性や堅牢性を維持しつつ、プロトコルとしての拡張性や複雑さも持ち込んでいる。
- その結果、ビットコインほどの信頼やセキュリティは得られず、イーサリアムほどの開発者コミュニティやイノベーションも生まれていない。
- 「速くて安い決済通貨」としても、「スマートコントラクトプラットフォーム」としても、決定的な強みを持てていない。
結論
ビットコインはお金、イーサリアムはプロトコル。
ビットコインキャッシュは両方を目指したが、その結果どちらにもなりきれていない。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」――この格言がBCHの現状を象徴している。
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