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暗号通貨のダスティング攻撃に注意しよう
暗号通貨の世界は日々進化し、同時に新たな脅威も増えている。その中でも見落とされがちなのが「ダスティング攻撃」だ。派手なハッキングやフィッシング詐欺に比べて地味だが、油断は禁物。今回はダスティング攻撃の仕組みやリスク、そして対策について解説する。
ダスティング攻撃とは
ダスティング攻撃とは、極めて少額(ダスト=ほこり程度)の暗号通貨を無作為に多くのウォレットに送付し、その後の取引履歴を追跡することで、ウォレットの所有者や関連アドレスを特定しようとする攻撃手法。ビットコインやイーサリアムなど、公開台帳を持つ暗号通貨で特に問題となっている。
なぜダストを送るのか
攻撃者の目的は「アドレスの紐付け」だ。複数のアドレスを使い分けていても、ダストを受け取った後にそれらをまとめて使うと、台帳上で動きが一目瞭然。これにより、匿名性が損なわれ、最悪の場合、個人情報や資産運用の全体像が特定されてしまう。
ダスティング攻撃のリスク
- プライバシーの侵害
取引履歴から個人の資産状況や利用パターンが分析される。 - フィッシングや詐欺の標的化
資産が多いと判明すれば、詐欺やハッキングのターゲットになりやすい。 - マネーロンダリング対策の妨害
ダストを受け取ることで、意図せず不審な資金の受領者とみなされるリスクも。
ダスティング攻撃への対策
- ダストを動かさない
受け取ったダストを他の資産と一緒に送金しない。ウォレットによっては、ダストを分離管理できる機能もある。 - ウォレットのプライバシー機能を活用
Coin Control機能や、UTXOの選択ができるウォレットを使うのがおすすめ。 - 定期的なアドレス変更
取引ごとに新しいアドレスを使うことで、追跡を困難にする。 - 怪しいトランザクションに注意
身に覚えのない少額入金があれば、送金履歴をよく確認し、ウォレットのサポートに相談する。
まとめ
ダスティング攻撃は一見無害に見えるが、プライバシーや資産の安全を脅かす重大なリスクをはらんでいる。自分のウォレットを守るためにも、日頃から取引履歴のチェックや、プライバシー機能の活用を習慣化しよう。暗号通貨の世界では、「自分の身は自分で守る」が鉄則だ。
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