NFTの大きな魅力だった「クリエイターへのロイヤリティ(転売時の自動収益)」が、マーケットプレイスの方針転換や業界のコンセンサスによって“オプション”扱い、つまり「支払うかどうかは購入者や販売者の自由」となり、事実上廃止されつつある現状。
これに対して多くのクリエイターやアーティストが強い失望や不安、そして“裏切られた”ような感覚を抱いている。
目次
NFTロイヤリティがOptional(任意)になった理由
- 2022年以降、LooksRareやX2Y2、Magic Edenなど複数の主要マーケットプレイスが「ロイヤリティ任意化」を発表。
- 取引手数料やロイヤリティをゼロにすることで、転売トレーダーや大量取引ユーザーを呼び込み、取引量を増やす狙いが背景にある。
- OpenSeaも2023年8月に「新規コレクションのロイヤリティ強制を廃止、任意化」へ方針転換。
本来“良いところ”だったはずのNFTロイヤリティが消えることの虚しさ
NFTの初期には「ブロックチェーン上のスマートコントラクトでロイヤリティを自動実行できる」という点が、従来のアート業界や音楽業界にはなかった“革命的な仕組み”として評価されていた。
- クリエイターが二次流通でも継続的に収益を得られる
- 透明性・自動性が保証される
- クリエイターエコノミーの新しい形
こうした価値観が、マーケットの競争やユーザー数確保のための“コンセンサス”によって、
あっさりと覆されてしまった。
クリエイターへの影響とコミュニティの反応
- 収益モデルの根幹が揺らぐことで、「NFTの意味」や「Web3の理想」に疑問を持つクリエイターが急増。
- 小規模アーティストや独立系クリエイターほど打撃が大きい。
- 一方で、RaribleやNifty Gatewayなど一部のマーケットプレイスは、今もロイヤリティ保護を掲げている。
結局、NFTの“良さ”や“理想”はどこにあるのか
NFTの仕組みそのものは「不変」でも、その価値やルールは「人間社会の合意や経済合理性」に大きく左右される。「これがNFTの良いところだ」と信じていた仕組みも、時代や業界の都合で簡単に変わってしまう現実。
NFTの“理想”は、まだ揺れている。クリエイターとコミュニティが本当に納得できる仕組みを、これからも問い続けなければならない。
コメントを残す