iCloudの「高度なデータ保護(Advanced Data Protection, ADP)」は、Appleが提供する最も強力なセキュリティ機能の一つだ。この機能を有効にすることで、iCloudに保存されているデータがエンドツーエンドで暗号化され、ユーザー自身の信頼できるデバイスでのみ復号化可能になる。ここでは、ADPをオンにするべき理由とその設定方法について解説する。
目次
ADPをオンにするべき理由
- データの完全なプライバシー保護
ADPを有効にすると、iCloudに保存されたデータ(写真、メモ、メッセージなど)はAppleを含む第三者がアクセスできなくなる。これにより、データ漏洩や不正アクセスのリスクが大幅に低減される。 - エンドツーエンド暗号化
ADPでは、データがユーザーのデバイスから送信される際に暗号化され、保存時も暗号化された状態が維持される。復号化は信頼できるデバイスでのみ可能であり、高度なセキュリティを実現する。 - セキュリティ脅威への対策
データ侵害やサイバー攻撃が増加している現代において、ADPは個人情報を守るための強力な防御手段となる。
ADPを有効にする方法
必要条件
- iOS 16.2以降またはmacOS 13.1以降がインストールされたデバイス。
- Apple IDの二要素認証が有効になっていること。
- すべてのデバイスでパスコードやパスワードが設定されていること。
設定手順
- iPhoneまたはiPadの場合
- 設定アプリを開く。
- ユーザー名をタップし、「iCloud」を選択。
- 下にスクロールして「高度なデータ保護」をタップ。
- 「高度なデータ保護をオンにする」を選択し、画面の指示に従う。
- Macの場合
- Appleメニューから「システム設定」を開く。
- ユーザー名をクリックし、「iCloud」を選択。
- 「高度なデータ保護」をクリックし、有効化する。
注意点
- ADPを有効にすると、iCloud.comでのWebアクセスは自動的にオフになる。ただし、一時的にアクセスを許可することも可能だ。
- 信頼できるデバイスがない場合には復元キーが必要になるため、このキーを安全な場所に保管しておくことが重要。
結論
iCloudの高度なデータ保護(ADP)は、個人情報や重要なデータを守るための必須機能だ。日常的にiCloudを利用しているなら、この機能をオンにしてセキュリティレベルを最大化しよう。
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