ERC-20zとは?
ERC-20zは、NFT(非代替性トークン)市場の流動性問題を解決するためにZoraが提案した新しいイーサリアムのトークン規格です。
従来のNFTは売買が難しく、流動性が低いという課題がありましたが、ERC-20zはNFTを「ラップ(包む)」して、ERC-20のような代替性トークンとしてDEX(分散型取引所)で自由に売買できるようにします。
仕組み
- ERC-1155の拡張
ERC-20zは、もともと複数のトークン(代替性・非代替性両方)を扱えるERC-1155を拡張しています。
NFTをERC-20zトークンに「ラップ」することで、NFTが代替性トークンとして扱えるようになります。 - ラップ&アンラップ
NFT保有者は、自分のNFTをERC-20zトークンに「ラップ」してDEXで売買できます。
また、ERC-20zトークンを「アンラップ」して、元のNFTに戻すことも可能です。 - 自動流動性プール
NFTコレクションをERC-20zで発行すると、ミント時の一部手数料がUniswapなどのDEXの流動性プールに自動的に追加されます。
これにより、ミント終了後も誰でも二次流通でNFT(ERC-20zトークン)を売買できます。 - オンチェーン・ロイヤリティ
クリエイターやコレクターへの二次流通ロイヤリティもスマートコントラクトで自動的に分配されます。
主なメリット
- NFTの流動性問題を解決
NFTをERC-20のように扱えるため、売買が簡単になり、流動性が大幅に向上します。 - 二次流通へのアクセスが容易
ミントに参加できなかった人も、DEXでERC-20zトークンを購入することでNFTを入手できます。 - オンチェーンでのロイヤリティ分配
ロイヤリティが自動で分配されるため、クリエイターも安心です。
実例
Zoraが発行した「Limitless」というNFTコレクションが、ERC-20zを初めて採用した事例です。
約50万件のミントが行われ、54ETH以上の流動性がDEXに追加されました。
ERC-20zと他の規格の違い
特徴 | ERC-20 | ERC-1155 | ERC-20z(新規格) |
---|---|---|---|
代替性トークン | 〇 | 〇 | 〇 |
非代替性トークン | × | 〇 | 〇(ラップで対応) |
NFTのラッピング | × | × | 〇 |
DEXでの売買 | 〇 | △ | 〇(NFTも可能) |
オンチェーンロイヤリティ | × | × | 〇 |
自動流動性プール | 〇 | × | 〇(NFT向け) |
まとめ
ERC-20zは、NFTをERC-20のように流動的に売買できるようにし、クリエイターやコレクターにもメリットがある革新的なトークン規格です。
NFTの新しい活用や、DeFiとの連携が今後さらに進むことが期待されています。
寄付する