ベンチプレスは胸の筋肉を鍛える定番の種目ですが、「ブリッジ」を意識して行っていますか?ジムでトレーニングしていると、背中を反らせて胸を張る「ブリッジ」フォームの人もいれば、まっすぐ寝たままベンチプレスをしている人も見かけます。
「ブリッジなんて大げさ」「普通に寝てやれば十分」と思っている方も多いかもしれません。しかし、ブリッジを作らずにベンチプレスを続けると、思わぬリスクやパフォーマンス低下につながることが知られています。
なぜ多くのトレーニーがブリッジを取り入れているのか?ブリッジなしでベンチプレスを行うことでどんな問題が起こるのか?そして、今すぐ見直すべきフォームのポイントは何か?
この先では、ブリッジなしベンチプレスの主なリスクやデメリット、そして安全かつ効果的に筋肉を鍛えるための正しいフォームについて、解説します。
目次
ブリッジなしベンチプレスの主なリスクと詳細解説
1. 肩への負担が大きくなる
ブリッジを作らずにベンチプレスを行うと、肩が前方に出やすくなり、バーベルの軌道も安定しません。この状態では肩関節へのストレスが増大し、インピンジメント(肩の挟み込み)や腱板損傷、さらには靭帯や腱の断裂など、さまざまな肩の怪我につながるリスクが高まります。特に肘を広げすぎたり、バーベルを胸よりも上に下ろしてしまうと、肩への負荷がさらに増します。肩の痛みや違和感を感じたままトレーニングを続けると、慢性的な障害に発展することもあります。
2. 大胸筋への刺激が弱くなる
ブリッジを作ることで胸を張りやすくなり、肩甲骨を寄せて大胸筋をしっかり使うことができます。逆にブリッジなしの場合、肩が前に出てしまい、動作が肩主導になりやすくなります。その結果、せっかくのベンチプレスでも大胸筋への刺激が十分に伝わらず、筋肥大や筋力向上の効果が落ちてしまいます。また、肩甲骨を寄せて胸を張ることで、バーベルを下ろした際に大胸筋が最大限ストレッチされ、効率的に筋肉を鍛えることができます。
3. 体幹の安定性が下がる
ベンチプレスは上半身だけでなく、下半身や体幹の安定性も重要です。ブリッジを作ることで足で床を踏ん張り、全身の力を連動させてバーベルを押し上げることができます。ブリッジなしでは体幹が不安定になりやすく、バーベルのコントロールが難しくなります。これにより、フォームが崩れやすくなり、結果的に怪我のリスクや扱える重量の低下につながります。
4. 可動域が狭くなりやすい
ブリッジを作らないと、バーベルを胸までしっかり下ろすことが難しくなり、可動域が狭くなりがちです。十分に胸を使えないフォームになりやすく、特に高重量を扱う際にはバーベルの軌道が不安定になりやすいです。可動域が狭いと筋肉への刺激も限定的になり、トレーニング効果が落ちてしまいます。
ブリッジを作ることのメリット
- 肩関節の保護:肩甲骨を寄せて胸を張ることで、肩関節の安定性が増し、怪我のリスクを大きく減らせます。
- 大胸筋への最大刺激:胸を張ることで大胸筋がしっかりストレッチされ、筋肥大・筋力向上に効果的です。
- 高重量を扱いやすい:体幹が安定し、全身でバーベルを押し上げられるため、より重い重量を安全に扱えます。
- フォームの再現性が高い:毎回同じフォームで挙上できるため、記録の伸びや怪我予防につながります。
正しいブリッジの作り方とフォームのポイント(具体的解説)
1. 肩甲骨をしっかり寄せて胸を張る
無理に腰を大きく反らせる必要はありませんが、肩甲骨を寄せて胸を張ることで大胸筋をしっかり使うことができます。ベンチに寝たら、肩甲骨を背骨に寄せるイメージでセットしましょう。
2. 足をしっかり床につけて踏ん張る
足を床に強く押し付けることで、下半身から体幹まで全身が安定します。これにより、バーベルを押し上げる際に力が逃げにくくなります。
3. バーベルを下ろす位置は胸の真上を意識
バーベルは乳頭ライン(胸の中央やや下)を目安に下ろします。肩がすくんだり、肘が広がりすぎたりしないよう注意し、肘は体幹から約75度の角度を保つと肩への負担が減ります。
4. グリップ幅と手首の角度も意識
グリップは肩幅よりやや広めが基本ですが、個人差があります。手首はまっすぐに保ち、バーは手のひらの下部で握ると力が伝わりやすくなります。
5. 目的に応じてブリッジの高さを調整する
筋肥大を狙う場合は、可動域を確保するためにブリッジを控えめにするのも一つの方法です。パワーリフティング競技のように高いブリッジを作る必要はありません。自分の目的や体の柔軟性に合わせて調整しましょう。
よくある疑問とアドバイス
- 腰が痛くなる場合は?
無理に腰を反らせすぎている可能性があります。まずは肩甲骨を寄せて胸を張ることを優先し、腰への負担を感じたらブリッジを低くしましょう。 - 足が滑る・踏ん張れない場合は?
足の位置を調整し、床との設置面積を増やすことで踏ん張りやすくなります。滑りやすい床の場合はトレーニングシューズを活用しましょう。 - 肩や手首に痛みが出る場合は?
グリップ幅や手首の角度、バーベルを下ろす位置を見直してください。手首はまっすぐ、バーは手のひらの下部で握りましょう。
まとめ
ブリッジを作らないベンチプレスは、肩の怪我や筋肉への刺激不足、パフォーマンス低下など多くのリスクを伴います。
安全かつ効果的なトレーニングのために、正しいフォームと無理のないブリッジを意識し、あなたの目的や体格に合ったやり方を見つけてください。
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