ZIP 316は、Zcashの改善提案(Zcash Improvement Proposal)のひとつで、統一アドレス(Unified Addresses)と統一閲覧キー(Unified Viewing Keys)を導入することで、Zcashのプライバシー機能を簡素化しつつ使いやすくすることを目的としている。異なる種類のZcashアドレスを扱う際の複雑さを軽減し、ウォレットやサービス間の互換性を向上させる仕組み。
ZIP 316の主な特徴
統一アドレス(Unified Addresses)
- 複数の種類のZcashアドレス(透明アドレス、シールドされたSaplingアドレス、シールドされたOrchardアドレス)をひとつの形式に統合。
- 送金や受け取り時に、ユーザーがアドレスの種類を気にせず一つのアドレスを共有できるようになる。
- 透明とシールドのアドレスを分けて管理する必要がなくなり、操作が簡単になる。
統一閲覧キー(Unified Viewing Keys)
- 関連するすべてのアドレスタイプにわたって取引詳細を安全に閲覧できる機能。プライバシーを損なうことなく監査やコンプライアンス用途で利用可能。
後方互換性
- 統一アドレスは古いウォレットやシステムとの互換性を確保する設計。透明な資金や特定のダイバーシファインデックスに関連するデータも含め、キー情報を移動させても資金が確実に回収できるよう配慮されている。
プライバシー強化
利点
- ユーザー体験の向上:透明・シールドどちらかを選ぶ必要がなくなり、支払い情報の共有が簡単になる。
- ウォレット間の互換性向上:すべてのアドレスタイプを統一的に扱えるため、開発者にとっても統合が容易になる。
- プライバシー維持:Zcash特有の強力なプライバシー機能はそのまま維持。
ZIP 316は、Zcashが持つプライバシー機能を日常利用でさらに実用的かつ便利にするための大きな進化と言える。
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