Ethereum Name Service(ENS)とは、イーサリアムブロックチェーン上で動作する分散型のネーミングシステムです。ENSの主な役割は、長くて複雑なイーサリアムアドレス(例:0x1234abcd…)やその他のブロックチェーン識別子を、人間が読みやすい「○○.eth」といったドメイン名に変換することです。
ENSの特徴
- 人間が読みやすいアドレス
ENSを使うことで、0xから始まる42桁の英数字のアドレスを「satoshi.eth」や「yourname.eth」といった覚えやすい名前に置き換えられます。これにより、送金ミスのリスクを減らし、利便性が大幅に向上します。 - 分散型・オープンソース
ENSはイーサリアムブロックチェーン上で動作し、中央管理者が存在しない分散型の仕組みです。DAO(自律分散型組織)によって運営され、ガバナンストークン(ENSトークン)を通じてユーザーが運営に参加できます。 - DNSとの類似性
インターネットのDNS(ドメインネームシステム)がIPアドレスをドメイン名に変換するのと同様に、ENSはブロックチェーンアドレスを「.eth」ドメインに変換します。さらに、既存のDNSドメイン名もENSにインポート可能です。 - 多様な用途
ENSはウォレットアドレスだけでなく、スマートコントラクトアドレス、コンテンツハッシュ(IPFS)、メタデータなど、Web3に関わるさまざまな情報に人間が理解しやすい名前を付けて管理できます。 - NFTとしての管理
ENSドメインはNFT(非代替性トークン)として管理され、所有権の移転やサブドメインの発行も可能です。
仕組み
ENSは主に「レジストリ」と「リゾルバー」という2つのスマートコントラクトによって構成されます。
- レジストリ:ドメインの所有者や設定情報を記録
- リゾルバー:ドメイン名と実際のアドレスなどの情報を紐付けて変換
これにより、ユーザーは「yourname.eth」といったシンプルな名前で、複数のブロックチェーンアドレスやWeb3サービスを一元管理できます。
まとめ
Ethereum Name Service(ENS)は、イーサリアムおよびWeb3の世界で「覚えやすい名前」を使って複雑なアドレスや情報を管理・共有できる、分散型のネーミングインフラです。これにより、ブロックチェーン技術の利用体験が大幅に向上し、Web3時代の「ドメイン名」として広く活用されています。
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